赤ちゃんの写真についてよく聞かれる。
決まって答えるのが、
「お母さんが撮ってください!一眼レフでもスマホでもかまいません。プロが絶対撮れない写真が撮れます!」
残念だが本当の話だ。お母さんと赤ちゃんの関係には割って入れない。
その間には超えられない関係があり、他には見せない表情を赤ちゃんもお母さんも見せる。
かなうはずもない。

「彼女」の写真も「彼氏」が撮るのにかなわない、と思っている。
篠山紀信が悔しがってたまらない写真がある。
宮崎美子がオーディションに応募して来た時の写真だ。
大学時代、彼氏が撮っているものだ。
その写真を私も見て愕然とした。これは誰にも撮れない見事な写真だ。
篠山の撮った宮崎美子の写真を、私は山ほど見ているのだ。そこにもこのような表情はない。
自分を相手に全面的にゆだねる表情とでも言おうか、言葉で表現できない何かがある。

だからというわけではないが、「かなでるフォト」では、撮影前の雑談を重要視している。
少しでも仲良くなりたい。それから撮影に入りたい。
なぜなら、全然、雰囲気も表情も変わるからだ。

先日、高校の同級生の女性の写真を撮った。
阿吽の呼吸があるから、相当いい表情を引き出したつもりだ。

しかし、どれだけいい表情を撮っても、あの宮崎美子の表情はいまだに脳裏に焼き付いている。

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家族写真・プロフィール写真スタジオ
かなでるフォト 代表 いしばし
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